【Gear VR】2人協力プレイの迷路脱出&誘導VRゲームを遊んでもらう
研究活動の合間にGear VRを使ったVRコンテンツをちまちま作っています。
今回は、巷で最近話題になりつつある「HMDを使いつつ複数人でプレイするゲーム」を制作して何人かの方に遊んでもらいました。
ねらい
作るきっかけとなった記事がこちら。
HMDVR(ヘッドマウントディスプレイによるバーチャルリアリティ) ゲームは高い没入感を得られますが、基本的に1人用プレイになっており、周囲の人からは何をやっているのかわからず、楽しさが伝わりづらいという欠点があります。
一方、記事内のゲームは、複数人でHMDを使い回すというかたちで複数人プレイを実現すると同時に、仮想現実を可視化するという作業によってVR空間と現実世界とが入り混じったものにしています。
私はこのゲームの面白さは「複数人による体験の共有」と「現実世界を巻き込んだVRゲーム」という要素にあると感じ、自分でもパクり オマージュしたゲームを作りたくなりました。
そこで簡単ではありますが、その試金石として製作したのが今回の迷路脱出&誘導VRゲームです。
内容
2人のプレイヤーのうち、1人はHMDをかぶって仮想空間の迷路内に降り立ち、脱出を試みます(以下、HMD側)。
もう1人には迷路の地図を渡し、現実世界から脱出をサポートするガイドとなってもらいます(以下、ガイド)。
ガイドは音声のみでHMD側を誘導します。目印のため、迷路内にはいくつかのシンボルを設置しました。
HMD側が迷路内を歩くための操作入力には、Gear VRのタッチパッドを使用します。押している間、HMDが向いている方向に前進します。このため、HMD側プレイヤーには回るイスに座ってもらいました。
プレイ時間は2分~5分程度。
下図が迷路の外観です。手前の角がHMDをかぶったプレイヤーが降り立つスタート位置、反対側の角に出口があります。
ガイドに渡す地図がこちら。迷路じたいはそこまで複雑ではありません。
迷路内にはいくつか目印となるシンボルがあり、ガイドとHMD側はこれを頼りに現在位置を確認したり、進行方向を決定します。
知見とプレイヤーからの感想
- 基本的に60fpsを保つようにしていた甲斐あって、酔う人はいなかった
- 「タッチパッドで進行方向に直進」という入力操作は概ね好評だった。
- 迷路のサイズは大きくないが、HMD側は迷路の概観がわからないため、それなりの閉塞感を味わってもらえた。プレイヤーの飽きなども考えると、コンテンツのボリュームは適切だと感じる。
- ガイドはHMD側の現在地を正確に把握しないと適切なガイドができないため、一度HMD側の位置を見失うと回復するのに時間がかかる。
- 壁越しに見えるシンボルなどが気になり、HMD側がガイドの指示を待たずに進むシーンも見られた。
- 迷路内のシンボルを取得可能にし、コンプリートを目指すようにすれば面白いかもしれない。
- ゴール時にパススルーカメラを表示させようとしたが、攻略中にもカメラの準備をしてしまうせいでデバイスが非常に発熱し、プレイ中にデバイスの警告で緊急停止した。そのため泣く泣く演出をオミット。(実装が悪そうだけど、良い回避策はないかな)。
- それでも15分もプレイすると強制終了の懸念アリ。長時間の連続プレイは不可能
- 視野角が狭いことについて、魚眼のような補正をかけることで視野角を広くできないか?という意見をもらった
今回ねらっていた効果として以下の3点、「今回の入力操作は効果的か?」「HMDをかぶらないガイドもVR空間が気になるようになっているか?」「プレイヤーはガイドがいても勝手に動きたくなるのか?」がありました。今回プレイしてもらった限りでは、この全てが好評・狙い通りで良かったです。
ゲーム自体はシンプルなものの、これらの要素によってVR空間と現実空間を交える面白さが生まれたのではないかなーと思います。